「東京タワーに届いた柩」

ストーリーに対する繊細さと丁寧さに感動!東京タワーに出現したお化け屋敷「東京タワーに届いた柩」に潜入!


こんにちは、夏生(なつき)です。

だんだんと猛暑日と呼ばれるような日が増えてきて、いよいよ夏本番というところですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

夏と言えば夏祭り、花火、海、プール・・・たくさん連想させるものがありますが、みなさまの頭の中に「お化け屋敷」というワードはありましたか?ヒヤッと、一瞬にして暑さを吹き飛ばしてくれる非現実的な空間。今年も日本の各地でたくさん展開されているようです。

この絶叫マガジンにも各地のお化け屋敷情報を掲載しているので、ぜひ目を通してみてください。夏以外にもやっている常設のものはもちろん、期間限定のものもあります。

 

さっそく一件行って参りました

「東京タワーに届いた柩」01さて、話に上がりました2017年夏限定のお化け屋敷ですが、さっそく一件行って参りました。

東京タワーに出現したお化け屋敷。その名も「東京タワーに届いた柩」です。

柩。読み方は「ひつぎ」。そうです。もちろんなくなった方が入られる、アレです。ひつぎというと「棺」こちらの漢字を想像しがちですね。気になったので二つの漢字の違いを調べてみましたところ、

 
「棺」:遺体を入れるかんおけ“そのもの”を指す
「柩」:遺体の入っているかんおけの“状態”を指す

(社葬百科より)

 
このような違いがあるようです。・・・って、え!じゃあ「東京タワーに届いた柩」って・・・つまり・・・

 
大まかなストーリーは以下の通り。

”数日前,ひとつの木箱が東京タワーに届いた。
どうやら蝋人形が入っているらしい。でも,誰も注文した覚えがない。
ある人は言う。「これは30年前に起きた,蝋人形師の事件だ」と・・・”

その事件をざっくりとまとめると、巧妙な蝋人形師が作る蝋人形は必ず木箱に入って届き、それによりその男が作ったと認識されていた。しかし人をさらって型にしているといういやなうわさが広がり、蝋人形師は失踪。いくら捜索しても見つからなかったがある日、静かになった彼の工房にひとつの木箱が届けられる。入っていたのはなんと失踪した「男」の蝋人形であり、事の真相がわからぬまま安置されていたが、いつのまにか・・・木箱は空になっていた。

木箱は物語っていた。
事件はまだ終わっていないことを。
蝋人形師が蝋人形となって,まだどこかに潜んでいることを。

いやあ恐ろしいですね。なにが恐ろしいって、蝋人形ということだけでもかなり怖い要素であるのに加えて、

  • 「生きた人間が蝋人形と化す」
  • 「生きた人間が人の命を犠牲にして世界的に有名になる作品を創っていた」
  • 「残されたのは,空となった木箱だけ」

ざっと考えただけでもこれだけでてきましたよ。
つまりその工房にいるのは蝋人形と言うべきなのか、人間と言うべきなのか。

どちらにも捉えられるようにしてあること、どちらかわからない不安が恐怖心を煽ります。

 

お化け屋敷を作ったのは「松竹お化け屋本舗」

このストーリーを含めたお化け屋敷を作ったのは「松竹お化け屋本舗」。歌舞伎や映画、お笑いなどさまざまな分野で幅広く活動されている松竹株式会社さん主催のお化け屋敷をブランド化させた企画です。

ちなみに同じ東京タワーで去年やおととしなどもお化け屋敷を展開されています。この松竹お化け屋本舗のスタッフさんの対応がとてもやさしく面白いのもポイントです。

ちなみに松竹さん、埼玉県にあるハイブリッドレジャーランド「東武動物公園」にも期間限定でお化け屋敷を展開しているのでそちらにも注目ですよ!

 

前置きは長くなりましたが

さて、だいぶ前置きは長くなりましたがここからは実際に私が訪れてみての感想や意見となります。人によって捉え方や感じ方は異なるのでその点はご了承ください。

 
「東京タワーに届いた柩」02東京タワーのチケット窓口のあるエントランスを入ったところ。展望台にのぼるためのエレベーターに乗れます。

そのエレベーターを正面にして右を向いたところに・・・

 
「東京タワーに届いた柩」03いきなりガラッと雰囲気が変わりましたが、入口右手に突然お化け屋敷が。

看板には「蝋人形いかがですか?」の文字。
そして血を流しながら苦しそうに伸びる手足。

何も知らずに来た方はびっくりしそうですね。

 
「東京タワーに届いた柩」04ちなみに近くには顔出しパネルなんかも設置されていて、私が行った時は、中には怖くて入れないけれど記念にここで写真を撮っている外国のお子さんも何人か見かけました。

期間限定だからこそ。撮らなきゃ損ですね!

私がここで入口の写真を撮りまくっていると、地下の入口からスタッフのお兄さんが近づいてきました。

「よかったらお写真お撮りましょうか?全然、入らなくても大丈夫なので入口までなら写真お撮りしますよ。どうぞどうぞ!それでもし気が向いたら入っていただくのも可能なので」

すごく優しく明るいお兄さん。この人は東京タワーのスタッフさんかな?本当にお化け屋敷のスタッフさんかな?と一瞬迷ったくらいテンションの高いお兄さんでした。

 
これは推測ですが、もう入る気満々だった私に対して「気が向いたら入ってください」と言ってくるあたり、おそらく入口で怖くて引き返すお客さんも多いのでしょう・・・そんなお客さんにも雰囲気だけでも楽しんで帰ってもらおうと、率先してカメラマンになろうとしてくれるお兄さん。さすがプロです。

しかし私は元からこれだけのために来ていたので、写真だけで引き返すわけがありません。明るくノリの良いお兄さんに「入る気満々できたのですが、チケットはどこで購入できますか?」と聞いてみました。

お兄さん「本当ですか!ありがとうございます!」と、喜んで私を券売機に案内してくれました。とは言ってもその券売機、目の前にありましたが(笑)

 

さっそくチケットを購入

「東京タワーに届いた柩」05食堂で食券を買うのと同じ感覚です。

価格は大人は1人900円。子供は1人600円。
4歳以上からチケットが必要になるみたいですが、3歳以外は無料だそうです。

 
「東京タワーに届いた柩」06東京タワー展望台チケットを持っていると大人も子供も割引されるようです。これは展望台目当てできた人でもお得に楽しめます。私はお化け屋敷のみなので900円のチケットを購入。食券と一見見間違えるようなチケットが出てきます。

そしてお兄さんが私に付きっきりでいてくれたので、その場で即回収されるチケット。半券として記念に持ち帰れる部分などは特にありませんでした。

 
「東京タワーに届いた柩」07「ではご案内しますね」とお兄さんがすぐに先導してくれます。オレンジの壁が特徴的な階段をお兄さんの後ろについて下っていきます。

タワーの入口から近い上、スタッフさんが常に歩き回っていますし、迷ってしまうことはまずないです。

 
「東京タワーに届いた柩」08階段の手すりにはお化け屋敷の方角を示した紙も貼ってあります。しっかりと血で濡れているところ、芸が細かいです。

 
「東京タワーに届いた柩」09壁がひたすらオレンジなので、ポスター等がなかったら、一見お化け屋敷なのかどうか分かりませんね(笑)

 
「東京タワーに届いた柩」10入口と出口は、通路が違うものの同じ場所にあります。つまり一周まわって同じところから出てくるような構造になっているとわかります。

これなら入口で入ろうか迷っているお客さんがいたら、出てきた人の反応でどうするか決めることもできます。余計怖くなって入りたくなくなってしまう可能性もありますが・・・

 
「東京タワーに届いた柩」11ちなみに入口横には東京ドームシティの期間限定のお化け屋敷のポスターと、東武動物公園のお化け屋敷のポスターもありました。

・・・ん?東武動物公園は同じく松竹お化け屋本舗さん監修のものだから分かりますが、東京ドームシティは違ったはずです。

「東京ドームシティのお化け屋敷となにか提携などがあるのですか?」と尋ねてみますと
「提携ではないですが、向こう(東京ドームシティ)にもうちのを置いてくれる代わりに、こちら(東京タワー)も宣伝として置いているんですよ」と。

ライバルでありながら支え合うお化け屋敷業界。いいですね、一つのお化け屋敷に行ったことで他のお化け屋敷の情報も知れるのは個人的にですがとても良い事だと思います。

 

すごいなと思った点

「東京タワーに届いた柩」12「東京タワーに届いた柩」のチラシが置いてあるのですが、これがなんといろんな国の言葉に対応したそれぞれのチラシが置いてありまして(写真は残念ながら少しはみ出ていて申し訳ないです)、英語、韓国語、中国語、そして本来の日本語のものと分かれています。

本来のチラシには、それぞれの国の言葉で訳された小さいチラシが丁寧にホチキスでとめられています。

日本語以外の言葉でお化け屋敷の概要やストーリーを綴る時はだいたい英語のみになりがちだったり、注意事項だけ様々な言葉に対応している場合が多いイメージですが、このお化け屋敷は海外のお客さんにもしっかりとどのような物語でこのような演出になっているのか、しっかりと知って楽しんでもらいたいという気持ちが強く伝わりました。

日本人の感じる恐怖や「ヒヤッ」とする感覚は、なかなか文化の違う海外の方には伝わりづらいと思いますが、いつかこの日本ならではのホラーが、今のマンガやアニメのようにメジャーに世界に展開されるようになるといいですね。

 

いよいよお化け屋敷に入ってみます

「東京タワーに届いた柩」13さっきとは別のお兄さんが注意事項を話してくれます。事前にある注意事項のボード。入る前には安全上や演出上最低限のことを口頭で説明してくれます。私の場合は1人だったので中でフラッシュライトを使うことや写真撮影録画等は禁止ですと言われましたが、それ以外のことは厳しくは言われませんでした。

入る人数が増えればそれに伴い注意することも増えそうですが「これもだめ!」「あれもだめ!」という印象はないですね。

ちなみに傘立てや簡易的なロッカーがあるので、お荷物は預けられます。身軽な格好で入れるので、自分もストーリーの登場人物になったかのような体験ができます。

お化け屋敷の中ってある意味舞台の上みたいなものなので、その中に私物があるかないかで、かなり感じ方は変わってくると思いますし。

 

中の様子は・・・

詳しく書きたくて仕方が無いですが、ネタバレになってしまう上実際体験しないと分からないものなのでざっくりと。

まず最初の扉をスタッフさんが開けてくれると、最大6〜7人くらい入れそうな部屋がありまして。そこで動画を全て見てからスタートします。その動画に関しては、周囲で宣伝で流れてるのとほぼ内容は変わらずなので、そこでミッションが与えられたりする訳ではありません。この「東京タワーに届いた柩」のストーリーを動画が物語ってくれます。

ちなみにですがこのお化け屋敷、ミッション等はありません。この動画室よりあとは、お客さんは外部の人というより、いつの間にか危険な噂の広がる工房に迷い込んでしまった次の犠牲者(になるかもしれない)なのかもしれません。自分が主人公になった気分で進みます。

 

体験してみての感想

では具体的にはかけないので私が実際中で体験してみての感想を箇条書きで。

 
・本当に真っ暗。油断したり目をつぶって歩いていると壁にぶつかる危険性

つまりしっかり目を開いて自分の目で確かめ、自分の足で進まないと逃げられませんよというメッセージなのかもしれません。そして当然唯一少し明るいところがルートになっているのですが、ここをみつけても安心してはいられません。わーっ!なんかきた!と思ったら自分の影だったり。自分が開けたドアの影だったり、なにかされたわけでもないのに自分の行動で一番びびってしまう可能性をひめています。それだけ神経が過敏になっているのかもしれません。

ちなみに私は、「なんか足音が聞こえる・・・!あ、自分のか・・・」となりましたね。静寂における恐怖ってたいていオチがあります。

 
・人形なの?ヒトなの?

お化け屋敷に入るかためらっている人で「これって人が出てきますか?機械ですか?」と聞く人って結構いるんじゃないでしょうか。機械という言い方はよろしくないですがみなさん、本当に「ヒトだから怖い」という考えでしょうか?

ここのお化け屋敷は「ヒトじゃないもの」が怖いです。どういうことかと言うと「ヒトと関わるもの」がたくさん散りばめられていて、それが寂れた状態で目に入ってくるからです。

それともう一つ、生きているのか死んでいるのかわからないものって怖くないですか。人によるかもしれませんが、このお化け屋敷のテーマでもある「蝋人形師と蝋人形」の境界線をうまく引きつつぼかしている感じが終始にじみ出ています。

文章だと伝わりづらいですが、まとめれば
「生きているように死んでいる」
「死んでいるように生きている」
この二つの恐怖を交互に植え付けてきます。

そして暗い。暗闇では視界が狭く、明るいところばかり見えてきますがその明るさに落とし穴はあり、少しずつ逃げられない絶望に陥っていきます。もう少し詳しく演出を書きたいところですが、そこは体験していただきたいので控えます。

 
・しっかりストーリーを理解することで二倍楽しめる

不思議なのは、恐怖の対象は幽霊や妖怪ではなく人間、それか蝋人形なんですね。それこそデー〇ン閣下じゃないけど「おまえも蝋人形にしてやろうか」がテーマなのです。「殺される」と恐怖を感じるのは当たり前ですが、その後に蝋人形にされる!入口や内部においてある手や足などの遺体・・・もしくは蝋人形をみて「自分もこのように蝋人形にされる!」という恐怖を感じ取れるでしょうか。

ただ入って演出を楽しむだけでもそれはそれで十分満足はできますが、その場合は「殺される」恐怖どまりでしょう。しかしお化け屋敷側が出してくれているストーリーを見てから、もしくは入った後に読むだけでいっきに恐怖の感じ方がまた変わってくるはずです。

「殺される・・・!」→「殺された遺体がただ火葬されておわるわけではない」

ストーリーを解釈し、その自分の姿を想像しながら入ってみてください。

 

まとめ

「東京タワーに届いた柩」14今回はすこし、ストーリーや世界観を大事にしているのはいいけども、恐怖の波やピークをうまく感じ取れなかったなと私は思います。最後のここが本当に怖かった!最初のあそこがトラウマ並みで・・・というどこかひとつものすごく印象に残る箇所が、見つけられませんでした。そこだけ少し、強調して作ってあったらまた違ったかなぁと。

ただ本当にある舞台を見ている、もしくは自分も役者になって参加しているような気分が味わえました。それだけストーリーが単純なようで深い。あと、お化け屋敷内に置かれているものがとても凝っています。ひたすらに。

ひとつだけ例えを出すと、丸く切り抜かれた壁に骸骨がつるしてある場所があるのですが、普通のお客さんは見ないであろう死角の部分を、しゃがみこんで下から見たら、しっかりと上の部分までありました。リアルな話、どうせ見えない部分なんだからここのパーツは使わずほかの場所に分けよう!なんてことも出来たはずなのに。

「東京タワーに届いた柩」15よく考えれば、そりゃあプロの蝋人形師の工房なんだから、パーツが足りないなんてことあってはなりません。ここもストーリーに対する繊細さと丁寧さが見受けられて感動しました。

当然ですが、恐怖の感じ方は人によりそれぞれちがいます。ざっくり分けても女の幽霊の怨念が怖い人、それよりもチェーンソーを持った男が怖い人、置いてあるだけの日本人形が怖い人・・・さまざまです。

ただひとつのイスが置いてあるだけでも、その理由を聞くだけで恐怖を感じるかもしれません。

ちなみに私は鏡に映った自分が怖かったです。どこにあってどう映るかは、みなさんの目で是非確かめてきてください。そしてそのストーリーの中で、お化け屋敷の中で、出てきた時、それぞれ現実で毎日生きている自分と何かしら共通点や相違点を見つけて簡単にイメージしてみてください。

たかがお化け屋敷ひとつかもしれませんが、世界がほんの少し違って見えてくるかも知れません。

 

私の所要時間は約6分

ちなみに私の所要時間は約6分でした。ひとりでしたがすごく早く歩いたわけでも物凄くゆっくり歩いたわけでもないので、4分~10分くらいでしょうか。参考までに。

 


「東京タワーに届いた柩」開催概要


公式サイトより抜粋

開催日程:2017年7月15日(土)〜9月3日(日)
開催場所:東京タワー地下1階 タワーホール 
営業時間:12:00~21:00(最終受付20:30)
所要時間:あなた次第(ウォークスルー形式アトラクション)
入場料金:【大人】900円(中学生以上)
     【子供】600円(4歳以上)
     ※料金は税込です。※3歳以下は無料です。
主催:『東京タワーに届いた柩』実行委員会
協力:日本電波塔株式会社
問い合わせ:j-mail @ shochiku.co.jp

 
詳細は公式サイトをご覧ください。

 
公式サイト:http://www.shochiku.co.jp/obakeyashiki/